細井広沢

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役者絵:西田敏行
京都・岩屋寺の掛け軸

細井広沢【ほそい こうたく】…儒学者・書家・篆刻家。

浅野家出入りの先生で内匠頭のお気に入りだった。堀部安兵衛とも昵懇(じっこん)で吉良邸討ち入りを影から支援した人。


広島の浅野大学を訪ねては、なぐさめたりしていた。

大学に頼まれて内蔵助の動勢を探りに京都に行ったとき、知り合いの汚い宿屋・吉野屋に経営指南。リフォームしたあとに広沢が訪ねたとき、二束三文で買ったというインテリアからカワセミが魚を狙ってる絵の掛け軸を見つける。

「こりゃたぶん狩野法眼元信の絵で500両はするが、サインが無いから誰かに賛(詩や俳句など)を書いてもらえ」とアドバイス。ライターには山科で暮らす大石内蔵助を推挙する。

宿屋の主人は「あほう浪人」と悪評の高い内蔵助に大事な掛け軸の賛を書いてもらうことに気が進まなかったが祇園帰りの内蔵助を出待ち。オファーに応えて内蔵助はなにやら書くが

「しまった!書き損じた」

「え〜!そやからいややと言うたんやんか。どないしてくれはるんどす?」

「とにかく2〜3年はどっかにしまっておいてくれ。5両やるから違うの買いなさい」

「500両が5両になるとは情けない」

あとで広択が見ると「濁りえの濁りに魚はひそむとも などかかわせみの獲るで止むべき」とあり、あたかもカワセミが魚を狙う図が吉良を狙う内蔵助のようで、これははかりごとを連想させるヤバイものと判断。上手の手から水が漏れてはいけないと、広択が買い取った(いくらで??)。(浪曲:大石と細井広択)


ちなみにその掛け物は京都山科の岩屋寺にあるが(画像)、大石内蔵助が通ったという泉湧寺 来迎院にもあって、ついでに言うと友人は「わたしの持ってるの、もりいさん五千円でどうです?」とおっしゃる。それじゃあ、あたしも描こうかなと思っています。


ビートたけしの忠臣蔵では消極的な内蔵助に討ち入りをそそのかす細井役を西田敏行がした。