礒貝十郎左衛門

提供: Kusupedia
移動先: 案内検索
役者絵:河原崎国太郎
礒貝家の菩提寺、三田・清久寺には位牌があります

礒貝十郎左衛門【いそがい じゅうろうざいえもん】…エンターテイナーキャラ。イケメンで芸事(舞、つづみ、太鼓)にも長けていたそうだが、浅野がそういうの嫌いだったので自重している。

浅野内匠頭の小姓。おかあさん重病。兄は内藤万右衛門。


お家大変後は仲良しの片岡と共に赤穂へ出向いてるが評定での大石の決定(みんなで殉死)が気に入らずプイと江戸に帰ってしまう。

芝の源助町に内藤十右衛門という名で潜伏した。


村 太膳という軍学の先生の同門に小林平八郎がおり、先生も平八郎も礒貝の碁の腕前にかなわない。礒貝は過去に、饗応のアドバイスを聞きに殿様とたびたび吉良邸に聞きに行ってたので平八郎にしてみると「どうもどっかで見た顔…」と疑うので、礒貝は隠すと返ってためにならないとカミング・アウトする。

平「をーそうでしたか。名前変えてるってことはやりますな?人数は?夜討ち?尋常に白昼にて候か」。

礒「いやぁ、最初はそんなハナシもありましたがおいおい沙汰止みとなりました。そんな了見いささかも…」

やがて村先生は病気で死ぬが、いまわの際に「ふつつか者でござるが娘・琴を進上いたす」とお琴さんを嫁にくれる。


討ち入りの日、母親に遺物(かたみ)の一曲として小鼓で猩々(しょうしょう)の乱れを打ち「再就職の決まりかけてる奉公先に断りに行く」と嘘を行って出かける。見送る母親はせがれの心を悟ったと見え、涙を隠してこころよく別れた。

(以上 講談)


討ち入りのときに台所役を脅かしてろうそくを出させ吉良邸の各部屋を明るくして回った人。

戦ってる最中もふところに紫ちりめんに包んだ琴の爪を秘めていた。新歌舞伎「元禄忠臣蔵」「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」では、フィアンセの持ち物という解釈がなされている。


忠臣蔵の恋」を書くにあたって原作の諸田玲子先生は主人公を礒貝にした理由について「消去法によって四十七士を絞った結果」と2016年の公演でおっしゃっている。

元禄忠臣蔵」の存在や上野の豆富料理 笹乃雪が大切にしてる伝説など、恋バナが比較的多い人物をどういう消去法によって選出したのか「はてな」と思ったのでご本人に「先生、元禄忠臣蔵はご覧に…」と遠慮がちにうかがったら「ええ。でもとっても小さなときになんですよ」とほんとに素敵な笑顔でお答えになられて、なんかそこでわたしは、先生は過去の創作物や伝説は眼中に無い(<つまり池波正太郎のように講談などから着想は得ない〜少なくとも本作では)のだなと思いました。


「磯」じゃなく「礒」が正解。


享年25。磯貝十郎左右衛門。


関連作品