「蜷川幸雄の仮名手本忠臣蔵」の版間の差分
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2008年9月24日 (水) 09:57時点における版
作品概要 | |
制作会社 | 舞台 |
---|---|
公開年度 | 1988年 |
内蔵助役 | 近藤正臣 |
評価 |
全編、ところどころ整理したり膨らましたりしてるけどほぼオリジナル(歌舞伎)をトレースしてて、あんまり上演されない段までとにかく「仮名手本忠臣蔵」全部(といっても陽気な八段目が無い)を通して演ってるから、これがまずすごい。
だからセリフもほとんどオリジナルと同じ「昔なセリフ」なのだが、ふつうに喋るスピードにアレンジされており(というより、マキの入った感じ)、役者さんはさぞかし大変だったろうなと思うが、きっとエネルギッシュな蜷川演出で引っ張って、みんなすごくがんばったのだなあ。見てて気分いい。女優さんがちょっと急いでるかんじがあるけど。
高師直の成田三樹夫がまずもう、すばらしい。もともとあたしはこの人が好きなんでヒイキ目なんだろうが、なんと素敵な声でしょう。滑舌もいいし。表情もいい。演技もいい。かっこいい!前半はこの人のおかげでグイグイ入っていく。この人と近藤正臣で星三つ稼いでるかんじ。
古いのやってるわりにスタイリッシュに感じる。のめり込むと「時代劇」に見えなくなってくる。ビデオのパッケに「ギリシャ悲劇の味わい」って書いてあるけど、ギリシャ悲劇知らないけど、たぶんそんなかんじなんでしょうねえ。ヨーロピアンな感じがする。
しっかし仮名手本って通してみると、ズ〜ッと悲劇なんですね。特にこの公演が「悲劇」を軸にしてるので後半になるにしたがって盛り上がるどころかどんどん陰気くさい気分になって「討ち入り」もスカッとしない。ていうのはたぶん、計算かもですね。
浄瑠璃の代わりにオペラみたいな歌が入ります(音楽:宇崎竜童)。
好き嫌いは別れるかもな。