「花よりもなほ」の版間の差分
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ショックなくらいかっこわるい浪士と、かっこいい浪士とが表裏一体で、なんだろう。うまく言えないなあ。 | ショックなくらいかっこわるい浪士と、かっこいい浪士とが表裏一体で、なんだろう。うまく言えないなあ。 | ||
− | + | とにかく作品自体が出来が良く、山田洋次の「運がよけりゃ」とか前進座の「人情紙風船」とか黒澤の「どん底」も目の前をかすめるんだけど、敵前逃亡した[[寺坂吉右衛門|寺坂]]が生き残って赤穂浪士をたたえるようすが、ユダがイエスの偉業を辻説法するウィレム・デフォーの「最後の誘惑」とかぶったりもした。 | |
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2010年3月1日 (月) 01:07時点における版
「誰も知らない」(04)の是枝浩和監督のコミカル時代劇。
V6岡田准一主演。
出演人の豪華さぶりは忠臣蔵っぽいが、話自体は岡田くん演じる貧乏サムライの話。
彼の住む貧乏長屋に浪士も混ざっているという具合。
岡田くんが父親の仇を捜しに江戸に出てきてからの生活と、浪士の討ち入り計画がぼんやりからんでるのだが、なぜかそのことが独特の緊張感も生んでて、おもしろい。なんていうんだろう、最低の貧乏長屋の生活に人殺しを計画してる人が居るのは奇異なんだけど、でも当時の死生観はああだし、みたいな。なんていうんだろう。良いんですよとにかくね。
とにかくわざわざこのストーリーに忠臣蔵をからめたのが実に面白いと思った。
ひじょうに空気のように毎日が過ぎていくのだが、見てるこっちも長屋の人と一緒にぼんやり時間を過ごしちゃう。
ショックなくらいかっこわるい浪士と、かっこいい浪士とが表裏一体で、なんだろう。うまく言えないなあ。
とにかく作品自体が出来が良く、山田洋次の「運がよけりゃ」とか前進座の「人情紙風船」とか黒澤の「どん底」も目の前をかすめるんだけど、敵前逃亡した寺坂が生き残って赤穂浪士をたたえるようすが、ユダがイエスの偉業を辻説法するウィレム・デフォーの「最後の誘惑」とかぶったりもした。
あまりムキにならず「生きる」というテーマが自然にぼんやり感じられる。
肩も凝らず、絵作りも良く、キャラクターも愛せて、もう一回見たくなる。