狂言・ラーメン忠臣蔵〜メンマの逆襲〜

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作品概要
制作会社 笑いの座
公開年度 2022年
内蔵助役 ---
評価 3ツ星
チラシ

「狂言・ラーメン忠臣蔵」は、日本のあちこちでかけているようだが(他府県だとチケ代が半値くらいだったりする!むきーっ)、行ってみて知ったのは、これが子供向けということ。あたしがでかけた「きたく子ども劇場」鑑賞例会は低学年に向けた体裁だった。(だから周囲は親子連れが大半。午後の高学年向けは、内容になにか違いがあるのだろうか。)

開口一番、茂山千之丞さんが狂言についてわかりやすく説明(狂言が室町時代からあるコントであることや、表現や言葉についてわからない部分は無視しろ…笑 というレクチャー)してくれたあと、最初に有名な「附子(ぶす)」がかかるのだが、まーこれにお子供衆がドッカンドッカンウケまくってるの。

日本のコントってすごくおもしろいと、かねがね思っていたが、だてに700年からの歴史じゃねえなと。古典芸能でこれだけ小学校低学年が笑ってりゃたいしたギャグセンだ。演る方も観る方も。


かと言って、「自分たちにもできそうだ」って感じで小劇団さんが芝居の中にコントパートみたいのを入れるのをしばしば見かけるのだが、たいがいケガしている…。

殺陣や着付けと同じで、ちゃんとエキスパートを雇って構成しないといけません。そんな簡単なもんじゃないんですな。コント。

そこへいくと茂山千五郎一門さんは狂言の人たちだけど、狂言の呼吸が現代にも通じるコントの間合いだったりするので面白く、以前にも同じ一門の違うユニット、「花型狂言会HANAGATA」さんの出し物もすごく違和感なく笑った。


<ネタバレ>

小一時間ほどの「ラーメン忠臣蔵」は、とんこつラーメンのドンブリの中を舞台とした具材のいざこざで、イタリアから来るパスタ一族をもてなすために豚骨スープがチャーシューに無理難題をふっかけ、めんの廊下(背景の鏡板には思いっきり松があるけど 笑)でケンカになって、ネギとメンマが間に入って仲直りするまでのハナシ。

ネギとメンマコンビ(太郎冠者と次郎冠者に相当する)が登場する際のキーフレーズ「ん〜〜〜メンメン!」という繰り返しがあるが、こどもが真似しやすくって、気が利いている。

チャーシューはいじめられた挙げ句にドンブリから追い出されるが、一家断絶でメンマとネギらも(セリフの上ではナルトや煮たまごも)ドンブリから消えると、たちまちラーメンの具が寂しくなって人気が下がってしまい、どう豚骨がトッピングを工夫しても挽回できず、最終的にチャーシューたちに謝罪する。

誰も死なないハッピーエンディングは時節柄ピッタシに感じたが、いっぽうで、めんの廊下でスープが「帰れったら帰れチャーシューは帰れ」と、いじめてるときに観客席に手拍子を促すのだが、その時などは、観客がいじめに加担させられるようでじゃっかん引きながら同調してるのが空気でわかる。これも時節柄だ。

最初のレクチャー(茂山千之丞さんは原作者でもある)で「忠臣蔵はあんまり関係ありません」と言ってるとおり、あんまり関係ないっちゃあ、関係ないかも。笑


かわおもしろい、ほっこりパッケージでした。ん〜〜メンメン!