岡部美濃守
岡部美濃守【おかべ みののかみ】…泉州・岸和田、五万石の殿さま。53歳。武勇活発。
内匠頭の前年に接待役を任命されてやはり上野介のパワハラを受けるが、あとで仕返しをした人。
元禄13年。
接待役を任命された岡部は「悪評の高い上野介の根性をたたき直してやる」と鼻息粗く、家来にも強く裏工作をさせないように指示し、吉良上野介にどういじめられても、役も退かずワイロも送らなかった。
イベント中はかっぷくのよさを接待されてる正親町中納言から認められ「力量を見せい」とリクエストを受けたことから、石灯籠をさし上げるというパフォーマンスを演じ、喜ばれたりする。
いじわるに耐え抜き、任務をまっとうした岡部は、3ヵ月後に隠居をしてから、上野介に「お礼をしたい」というニュアンスの手紙を送り自分の屋敷に呼ぶ。
吉「すれっからし大名かと思っていたが、案外悪い奴じゃないな。あんなにいじめるんじゃなかった」
左「それだから御前。"人は添ってみろ"というんですよ」
ごちそうが食べられると思って、腹を空かせてやってきた上野介に対し、岡部は自分への侮辱に対するクレームを口上したあとで槍を突きつけて勝負を挑んだ。
吉良上野介は「自分は畜生、イヌであるから勘弁してくれ」と命乞いをする。
「イヌというからにはイヌのようなことをして見せろ!」と上野介に対して四つん這いになって這わせ、家来一同とともに大笑い。侮辱で仕返しをする。
「欲深き 人の心と 降る雪は 積もるにつけて 道を忘るる」
映画「刃傷未遂」で、上記の講談をハナシを超読みやすくバージョンアップした林不忘(丹下左膳で有名)の「元禄十三年」が映像化されており、岡部美濃守をバックアップするように周囲が機転を利かせて、いろいろと事なきを得、松乃廊下で上野介を投げ飛ばすという痛快なラストになっている。
講談「忠臣蔵本伝 序・元禄十三年 岡部美濃守」