喧嘩安兵衛 決闘高田ノ馬場
作品概要 | |
制作会社 | 日本テレビ |
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公開年度 | 1989年 |
内蔵助役 | −−− |
評価 |
高橋英樹版「決闘高田ノ馬場」
新潟と群馬の県境は三国峠の河原におっこってる安兵衛(中津川友範にやられた)を拾った菅野六郎左衛門が彼を有名な道場に入門させて去る。
そういうオープニング。
安兵衛の高田馬場ストーリーではあたしはバンツマのがヒイキだが、本作において菅野六郎左衛門を演じているのはバンツマの息子の田村高廣。ちなみに彼が安兵衛を演じた記録は見当たらない。とはいえタカダはタカダでも高田郡兵衛は2回演じている。田村高廣はそんなに脱盟者っぽいイメージなんでしょうか。
40近い高橋英樹が豪放磊落な青年、19〜22歳あたりの安兵衛をがんばってるのだが、ごついんですよねヒデキ。ヤスってあたしのイメージだともうちょっと線が細い。ヒデキって貫禄があるからなあ。とはいえ好演。
修行して強くなって菅野さんに江戸までお礼に行ったら「甥にならないか」と誘われこれを受諾。
暴れ馬に轢かれそうになったおさち(堀ちえみ。一度引退されて、復帰したて)を救出。>おさち恋煩い。父・堀部弥兵衛は菅野さんから評判を聞いていて彼は彼で安兵衛に惚れている。
菅野、ホリ、弥兵衛、長屋のみんなというおなじみのメンバーを器用に(じゃっかん無理矢理に)関連づけておもしろくストーリーを紡いでいる。「走る」であるとか、「喧嘩が強い」などの安兵衛の特徴をじょうずに盛り込んで、飲み屋の女将万田久子(中津川友範にやられる)がいい潤滑油になって時間が経つにつれ好人物の安兵衛像が膨らんでいく。
で、遅刻の理由は寝坊ではない(でかけてた)。たしかに講談本のほうでは映画のように寝坊ではないのだが、そのせいでヒデキがより品行方正に見える。さらに鞘はいつ赤くなるのかと思ってたら結局最後まで黒いまま。仇討ちに駆けつけて、理由も無くしごきを襷にするあたりで次第にちょっと物足りなさを感じる。その気分のまま見せ場の決闘になってしまうのでじゃっかん残念。あんまり安兵衛を自堕落にしないようにしたのはヒデキに気を使ったためか、時代にそぐわないと判断したのか??結果、必要な要素がいろいろはぶかれてしまった。
でも、全体はホント、じょうずにまとめてあります。二刀流で中津川をやっつけるキメのポーズは、80年代にしては古い時代をわざと意識した殺陣もとりいれていいかんじ。
インサートされる討ち入りや引き揚げのシーンは同局の里見版忠臣蔵からの流用(有名俳優の顔の見えないショットばかり)。
志賀勝が江戸弁を喋ってるがアクセントが関西。春やすこのほうが関東弁がじょうず。彼女は今も堀ちえみと交流がある(byブログ)。この番組がきっかけでありましょうか?
<加筆>
もりいは本作の安兵衛の気性(新発田から江戸に出てきて早速泥棒に逢って全財産を失うが「見事にやられた!敵ながらあっぱれだ!笑」てなことを言って豪快に笑う)を「生き方」の手本&あこがれとしているが、それを高橋英樹氏に申し上げると「アレ自分に近い」性格だと言う。
「『坂の上の雲』の児玉源太郎にキャスティングされたが、実際の児玉さんは身長が155とか156センチなんですよね。でも笑ったとき豪快だった人だったってことで、それで抜擢にいたった」
「高橋さんは大柄ですもんね。身長はどのくらいなんですか」
「あのときは181ありました。いま縮まってます」
ハナシが横道にずれてしまったので、どうして本作は赤鞘じゃなかったのか聞くと
「なんででしたっけねえ〜。忘れました!」
だそうで、近年「ダウンタウンDX」で横に堀ちえみさんが座っててもこの作品のことを想い起こすことはなかったという。笑