京都殺人案内 現代忠臣蔵事件 四十七人殺されるかも?

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藤田まことの警部補・音川音次郎の「京都殺人案内」シリーズ。

その第13弾。

和久俊三の原作とされておりますが、市原悦子の「家政婦は見た!(松本清張)」みたいに一作目だけは原作どおりで、後のシリーズはオリジナルなのか、そういったところは不明なんですが、ソコを一生懸命調べようと思うほど、作品に牽引力はございませんでした。


舞台は京都。忠臣蔵の浪曲がうまい寿司屋の主人がある日、失踪。ときを同じくして詐欺師の浅野が山科の大石神社で他殺体で見つかる。

たてつづけに、東京の赤垣さんは泉岳寺で、堀部さんは両国の吉良邸跡で暴漢に襲われる。そして・・・・


という、はなはだ滑り出しはタイトル通り「四十七人、どうにかなっちゃう!?」って思うし、ここまでなら、火サスの「京都大石殺人街道 忠臣蔵ゆかりの地の連続殺人!」(92)の、山科の大石神社から撮影許可が下りなかったのか、鳥居のふもとにある社号標しか出てこない(それ以外は大石街道以外なにも忠臣蔵と関係ない)手抜きップリに比べれば、ロケもがんばっててだいぶ評価したいところなんだけど、本作品もフタを開けてみると、名前が義士と同じ人が暴行されたのが、事件と関係ない愉快犯によるとばっちりとわかったところから大胆に失速し始め、あとは忠臣蔵となんにも関係ない話が続き、その現代忠臣蔵無関係事件もまったくお茶の間を興奮させるだけの内容でもないし、主役の藤田まことの魅力が無かったら、なかなかきびしい作品。


そもそもバブル期のサスペンスドラマなんて、こういうレビューやなんかで熱吹くほうがアレなのであるが、でも忠臣蔵というワードでお茶の間を惹きつけた責任を最後までまっとうしない仕事ぶりには、いささか私の遺憾とするところである。。


で、なんか結局(ま、おそらく中盤から、なんかの和久俊三の原作借りてるんだろうけど)いろいろ(忠臣蔵と無関係)あって、実は人のイイ喫茶店のマスターが犯人っていう、なんか、そういうんでした。


事件と関係ないけど、失踪するすしやの主人に月亭可朝。かれの浪曲の声がひじょうに良かった。

あ、あとロケ地に円山公園も出てくる。ま、一応その程度の気は使ってらっしゃる。


存在のいとおしさがとにかく大きいんでオッケ!



附言

ついでなので、1980年放送の「名探偵雅楽三度登場!幽霊劇場殺人事件」(テレ朝)も、忠臣蔵関係なので紹介したい。

当時、中村勘三郎(17th)が主役を演じたサスペンスドラマ。シリーズ化されてるということは人気があったようで、土曜ワイド劇場でコレの前作が放送されたのは4ヶ月前。山城新伍(当時はバラエティで人気者)や近藤正臣といったベテランが脇を固めている。

この第三弾は、岐阜・相生座公演の仮名手本忠臣蔵の五段目で、実弾が発砲されて定九郎役の役者が殺されるという事件が起こるという内容。

いろいろ複雑な地元親子(有島一郎と高橋洋子)の持つ恨みと、それに関わる歌舞伎役者・林与一の愛憎渦巻く難事件。

これを歌舞伎界のシャーロック・ホームズ(と劇中で言われている、役者で名探偵の)雅楽=中村勘三郎が解決する。


俳優の存在感で引っ張ってくれるが、この頃の2時間ドラマの詰めは甘く、たとえばトリック(相当無理がある)を気づかれた犯人・高橋洋子が、乗ってるロープウェイの扉を開けて雅楽を突き落とそうとするが失敗。ゴンドラが山頂に着くと、命のやりとりをしたこの二人を、シークエンスに一切フレームインしてこなかったが、"実はもうひとり同乗してた"コンパニオンが「ありがとうございました」と、フンワリふつうに見送る。走行中のスッタモンダの最中に彼女はなにをしていたのだろう。

それとか、身元を隠すために女装させた男の子の正体を「新幹線の模型や飛行機の模型。8ミリのカメラが好き。そんなの女の子は、いないね」という根拠で見破るという、令和では考えられない、そういうステージの、ゆるい推理劇


芝居小屋のアレコレがウンチクで随所に散りばめられており、芝居好きとしては好感度が高く、なにより勘三郎が与市兵衛を演っているのが見どころ。劇中劇でだが、「演ったことがない」とセリフで言っている。


また、2022年の「片想いの彼のために捜査してたら、いつのまにか名探偵になりました。(仮)」(FOD)という短い単発(なのか?)WEBドラマがあり、なぞの連続水風船(中の液体には色がついてる)ぶつけられ事件の被害者の名前が「大石」「不破」「間」「片岡」「吉田」…。という部分が「京都殺人案内」や「ベルリン忠臣蔵」に似ている。

上記作品と比べても、たぶん「片思い…」のストーリーラインのほうが凝ってて健闘している気がした。最近流行りの(?)解決したように見えて、真相があるパターン。