血煙高田馬場

提供: Kusupedia
2010年10月4日 (月) 21:56時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

移動先: 案内検索
作品概要
制作会社 日活
公開年度 1928年
内蔵助役 ---
評価 4ツ星
役者絵:大河内伝次郎

たった6分の短い無声映画だがじゅうぶん興奮出来る作品。


短い中に、ケンカ安の日常>おじさんからの手紙>「南無三!」>弥兵衛父娘との出会い>高田馬場の決闘・・と、エピソードがふんだんに盛り込まれている。

後年の映画やドラマでさまざまにアレンジされている「おじさんのけんかの原因」は史実通り「囲碁の争いがきっかけ」となっているのが興味深かった。

また、たすきはお幸のしごき帯ではなく神社の鈴緒(すずお=さい銭箱のガラガラについてるヒモ)を彼女が引っ張りちぎって渡す。


古い無声映画なので、あのコマ落としなチョコマカしたスピードで見落としがちだが、スロー再生してみるとさらに注目すべき演出がふんだん。

まず八丁堀の貧乏長屋にはコジキがふたりほど配置されていて、一人はガチでハンディキャップのあるように見える。

お幸は一見おしとやかだが、鈴緒をちぎるためにパッとかけだし、けっこう高い石段をひとっ飛びするなど実はすごくお転婆である。

弁士は「おじさん」といってるが、字幕もゆっくり読むと菅野六郎左衛門を「祖父」としている。

実はいろいろオリジナリティがあります。


監督さんは伊藤大輔という人だが、放送してくれたCSの衛星劇場は「監督/原作/脚本 稲垣浩」とクレジットしていた。稲垣さんって伊藤大輔の伊藤映画研究所の生徒さんだそうですな。


愉快痛快な1本であります。


血煙高田の馬場