血煙高田馬場
提供: Kusupedia
作品概要 | |
制作会社 | 日活 |
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公開年度 | 1928年 |
内蔵助役 | --- |
評価 | ![]() |
たった6分の短い無声映画だがじゅうぶん興奮出来る作品。
短い中に、ケンカ安の日常>おじさんからの手紙>「南無三!」>弥兵衛父娘との出会い>高田馬場の決闘・・と、エピソードがふんだんに盛り込まれている。
後年の映画やドラマでさまざまにアレンジされている「おじさんのけんかの原因」は史実通り「囲碁の争いがきっかけ」となっているのが興味深かった。
また、たすきはお幸のしごき帯ではなく神社の鈴緒(すずお=さい銭箱のガラガラについてるヒモ)を彼女が引っ張りちぎって渡す。
古い無声映画なので、あのコマ落としなチョコマカしたスピードで見落としがちだが、スロー再生してみるとさらに注目すべき演出がふんだん。
まず八丁堀の貧乏長屋にはコジキがふたりほど配置されていて、一人はガチでハンディキャップのあるように見える。
お幸は一見おしとやかだが、鈴緒をちぎるためにパッとかけだし、けっこう高い石段をひとっ飛びするなど実はすごくお転婆である。
弁士は「おじさん」といってるが、字幕もゆっくり読むと菅野六郎左衛門を「祖父」としている。
実はいろいろオリジナリティがあります。
監督さんは伊藤大輔という人だが、放送してくれたCSの衛星劇場は「監督/原作/脚本 稲垣浩」とクレジットしていた。稲垣さんって伊藤大輔の伊藤映画研究所の生徒さんだそうですな。
愉快痛快な1本であります。
血煙高田の馬場