忠臣蔵・女たち・愛

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2008年12月8日 (月) 04:36時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 TBS
公開年度 1987年
内蔵助役 丹波哲郎
評価 3ツ星


橋田壽賀子の「女」忠臣蔵シリーズ(?)第2弾。前作があまりに高視聴率だったから制作側はもっと早く第二弾を欲しがったのではないかと推測するが、橋田はきっと「おしん(NHK)」で忙しかったんで本作まで7年も空いたんじゃなかろうか。(ちなみにこの二年後「春日局」)

さっそく杉野十平次の妹役に小林綾子がキャスティングされているが、やっぱこの人(の少女時代)はちょっと足が不自由な役をやるだけで不憫に見えて涙を誘う威力があります。(名犬ラッシーの演技みたい)

前作に比べると、なますのように斬られて泥だらけで死んでいくような壮絶な女の生き様は無くなってるのが、70年代から80年代という時代の流れを感じさせる。離縁された大石りくが江戸の内蔵助に会いにきちゃうところだけネタがかぶってる。

前作で登場した浪士とエピソードがかぶらない配慮がされており、そのせいか、ほかではクローズアップされない吉田沢右衛門矢田五郎右衛門などといった人物に橋田オリジナルの逸話が加えられている。


徳川綱吉をカツシンが演じているのだが、彼のシーンだけガラッと空気が変わってしまう。もう晩年の彼の演技はお茶の間向きではない。他人とのカラミは適当だし(煙に巻かれた林与一がカツシンのセリフに自分のセリフをかぶせてしまうが撮り直し出来なかったと見えてまんまオン・エアー。たぶんあまりにぼそぼそ言ってるので聞き取れず、林は勘でキッカケを読んだものと思われる。)、自由すぎる。カツシンファンにはたまらない独走。

彼(綱吉)がいっぱいチンを飼ってるのだが10匹ほどもおり、今まで見た忠臣蔵ではもっとも一度にフレームインしているチンの数の多い作品だ。(後半でカツシンにぶったたかれるチンもいる)


しっかしあたしが言うのもおこがましいんですが、この橋田さんってえ人は本当に構成がうまい。アイデアが素晴らしい。

これが単品なら4っつぼしですが、さらに良い「女たちの忠臣蔵」と同点というわけにはいかないので星3っつ。


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