四段目

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2010年7月18日 (日) 15:24時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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四段目【よだんめ】…落語。上方では「蔵丁稚(くらでっち)」というタイトル。


芝居好きの小僧さんがお使いの帰りに道草を食った罰に蔵に閉じ込められるハナシ。


このハナシは、蔵の中で腹ぺこの小僧さんがひとりで仮名手本忠臣蔵・四段目の見せ場を演じるという内容なのだが、あたしが初めて観たのは90年代初頭のTBSの深夜番組「落語特選会」において。by古今亭志ん朝。

志ん朝大好きなのに、当時ぜんっぜん面白いと思わなくて、その後自分がその録画を持ってることすら記憶から消えていたほどだった。

理由は簡単で、当時アタシがオリジナルの仮名手本忠臣蔵・四段目を観たことも聴いたこともなかったから。

現在、すっかり忠臣蔵ヲタになったわたしにおともだちが志ん朝のDVD見せてくれて、「あれ?これもしかしたら録画持ってる」と20年近く前の記憶が呼び覚まされたのだが、このときDVDを再生してるHDDにたまたま入ってた仮名手本(先代の仁左衛門が由良之助で尾上梅幸(7)が塩冶判官)の四段目の録画が入ってたので、ちょっと観てはDVD、ちょっと観てはHDDと、とっかえひっかえ観る趣向にでた。

「こどもがやってる」ようにそこそこ下手にやらなきゃいけないというのは逆にむずかしいだろうなと思います。


てなわけで、この噺は結局、見てる方が「わからないとつまらない」むずかしい噺なんじゃないかと思うが、それでも落語家のみなさんはしばしば高座にかけるようで、芝居部分が達者すぎてハナにつくであるとか、あんまり芝居に興味がないクセにやっちゃってお気の毒になるであるとか、かなりハードルが高い。

三遊亭円生の録音を聴くと芝居部分を最低限にカットして演っており、芝居のまねごとをしてるときはグッと決めてるものの、すぐに「おなかが減っちゃったなあ」と抜く。芝居のほうがわからない観客がウンザリしない工夫がひじょうにうまい。


というような、あまりリーズナブルではない噺。