「俵星玄蕃」の版間の差分

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この自警団みたいなものについては、ほかでもいろんなユニットが組まれており、計7~800人が吉良邸の周囲や両国橋近辺に至るまで見張りをしていたとのこと。
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この自警団みたいなものについては、玄蕃とは関係なくほかでもいろんなユニットが組まれており、計7~800人が吉良邸の周囲や両国橋近辺に至るまで見張りをしていたとのこと。
  
 
その正体は浅野本家筋であるとか、加藤近江守からとか、松平大炊頭の一門、池田玄蕃のユニットであるとか、堀内道場の門人だとか、諸説あるが真相は謎。。
 
その正体は浅野本家筋であるとか、加藤近江守からとか、松平大炊頭の一門、池田玄蕃のユニットであるとか、堀内道場の門人だとか、諸説あるが真相は謎。。

2010年9月29日 (水) 05:05時点における版

役者絵:三船敏郎
役者絵:勝 新太郎

俵星玄蕃【たわらぼし げんば】…元・尾張家の家来の浪人。


吉良家の近所(横網町)で道場をやってる槍の名士で、土(とか砂)の詰まった俵を槍で突いてポイポイ放り投げる「曲突き」という特技を持っている。


腕を見込まれて吉良家側から千坂兵部(とか小林)にスカウトされるが、そばやに身をやつしている杉野に同情を寄せてるので断る。杉野はなにを聞かれても白状はしないが、玄蕃は彼のことを赤穂浪士と見込んでいたのだ。

玄蕃が吉良側についてはたまらんと杉野は事情を内蔵助に話す。内蔵助は原惣右衛門にそう言って玄蕃の道場まで松平家を騙って偽スカウトにやり、吉良の用人になることを避けさせる。

討ち入りの夜、陣太鼓の音を聞いて飛び起きた玄蕃は吉良邸へ討ち入りに駆けつける。そこでユニフォーム姿の杉野と再会。

杉野との再会のあと助勢を申し出るが、内蔵助から丁重に断られるので両国橋で上杉勢を単身、通せんぼする。

…というエピソードがオーソドックスだが、浪曲の内容によっては、偽スカウトの時もらった大金を元手にチンピラを集めて黒装束10人組の急ごしらえの助太刀隊を編成し訓練し、討ち入りの夜に駆けつけるが活躍しないで見てる(加勢を断られるから)というストーリー展開もある。


この自警団みたいなものについては、玄蕃とは関係なくほかでもいろんなユニットが組まれており、計7~800人が吉良邸の周囲や両国橋近辺に至るまで見張りをしていたとのこと。

その正体は浅野本家筋であるとか、加藤近江守からとか、松平大炊頭の一門、池田玄蕃のユニットであるとか、堀内道場の門人だとか、諸説あるが真相は謎。。


歌舞伎の「俵星玄蕃」(木村錦花・作)ではバクチと酒に夢中になっており道場経営がかたむいている。杉野十平次はそば屋ではなく純粋な門弟。スカウトのハナシは話題としてだけ出てくる。討ち入り当日、玄蕃は道場の二階から様子をうかがい、引き上げの時に杉野と再会。カタミとして兜頭巾を受け取る。


三波春夫や柳亭市馬の十八番「元禄名槍譜 俵星玄蕃」は歌謡浪曲で、カラオケで歌うヒトも少なくありません。


このキャラクターは「大星由良之助」の「星」と俵を放る妙技から来た「俵」をくっつけちゃった名前で。文化2年の刊行物にすでにその名が出ているというから、けっこう古い。実は安兵衛の剣の師匠である堀内源左衛門も討ち入りの夜は吉良邸周辺で見守ってたというから、玄蕃は彼がモデルではないかとも言われる。


浪曲の「前原伊助」にも出てくる。


血槍無双」や「あゝ忠臣蔵」など、玄蕃に妹がいる設定もしばしば見られる。


映画やドラマで玄蕃と仲良しになるのはヤスベエだったり岡嶋だったりして、なぜかあんまり杉野が描かれない。

俳優の長門勇は槍がうまいので「あゝ忠臣蔵」「編笠十兵衛」に俵星玄蕃役で出ている。


内弟子は中村藤馬。


関連作品

元禄名槍伝 豪快一代男」1955(松竹)

血槍無双」1959(東映)