中山安兵衛

提供: Kusupedia
2013年8月2日 (金) 07:41時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

移動先: 案内検索
作品概要
制作会社 新東宝
公開年度 1951年
内蔵助役 −−−
評価 2ツ星

中山安兵衛とは堀部安兵衛の若い時の名前。有名な高田馬場の仇討ちの映画化のひとつ。

ひとなつっこくて愉快な24歳の浪人を50歳くらいの嵐 寛壽郎(アラカン)が愛嬌たっぷりに演じている。

アラカンは無声映画時代のスタアで、セリフ回しの感じなんかはトーキー時代に器用に適応できたとはとてもいい難いが、そのぶっきらぼうな演技がかえってざっかけないかんじが出てて印象は悪くない。(どう見てもおじいさんだが)

長屋に帰ると近所の風邪引いてる子供に飴玉の土産を買ってきてくれたり、近所の後家さんが目をかけてくれたり。こういう様子を見てると人気マンガ、特にちばてつや作品にしばしば見られる、すごく強いのにどっかマヌケでみんなから愛される下町のキャラって、ここら辺が元祖かもですな。

おじさん(東野英治郎)が果たし状を受けた仔細を下男から聞いて果たし合い会場に一緒に出向く。(糊売りのばばあに聞いて現場まで走っていくシークエンスも有名だが、このパターンも講談にある)

自分が斬り殺した遺骸を見たり、おじさんを亡くしたり、一度に異体験をしていろいろ物思いにふける安兵衛をよそに世間の評判は大きくなるばかり。

前半愛嬌のあった安さんがたった1日で人殺しを経験し、一人歩きする「英雄・安兵衛像」にじゃっかん苦悩。内面を描くと言うのは斬新

で、フワ〜ッと終わっちゃう。

なんだか罪の無い一品だが、戦後GHQの目が光ってる時代背景を考えると、本伝の映画化もままならぬ時代(主君の仇討ちモノが御法度)であり、ヒトの生き死にに対して思いにふける安兵衛像は自然に生まれた感があります。。


似た時代背景の忠臣蔵映画