ホリ

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役者絵:深津絵里

ホリ【ほり】…堀部安兵衛の妻。堀部弥兵衛の娘。

幸(さち/こう)とか順という名前で表現されることもある。


高田馬場の決闘をするために走ってきた中山安兵衛(当時のヤスベエの名)が落ちていた縄をたすきにしようとした時に「それじゃ縁起が悪いですから、これどうぞ!」と見物してたホリがヒジリメンの扱帯(しごきおび)を安兵衛に貸した。黒羽二重に赤く燃え立つようなたすきがかっこいい。

父親の堀部弥兵衛は安兵衛の腕っ節に惚れ、さんざん安兵衛を説得して娘婿に来てもらう。


堀部妙海尼

討ち入りが終わったあと、彼女は尼僧になろうと浅草、草泉寺で僧侶をしている伯父の一雲をたずねる。一雲は入社試験として千住小塚原のさらし首の回向100回とか、伝染病の人を死ぬまで介護させたりするが、見事クリア。法名を妙海とし、尼僧デビュー。泉岳寺の庵(いおり)で念仏三昧の日々に明け暮れる。

評判を聞いて浅野ご本家筋から援助が来ても、お金には一切手をつけず、そういうのはだいたい炊き出しのイベントに使ったりした。


亡君菩提のため信州の善光寺に旅に出たある日、雪の中凍えて倒れてしまったところを地元の百姓母子に助けられる。しばらく滞在しているとある夜、その女所帯に強盗が押入ってくるが、かねて父から仕込まれてる撃剣体術で身をかわし返り討ちにする。


信濃路の茶屋で休んでると、店のオヤジが若い自分に屋敷奉公をしてた経験があり、客の侍に「もしや松平隠岐守さまご家来の荒川十太夫さまでは」と話しかけ、侍も「その方、よく存じておるなあ」てな返答をしてて、愛宕下の松平家の荒川さんと言やぁ、妙海尼の夫・安兵衛を解釈した人と聞いておりましたので「冥土黄泉より良人(おっと)安兵衛が引き合わせたるところ」と自己紹介して落涙。十太夫も驚いたが「天晴れ前代未聞の最後をいたしたり」とほめてくれた。 


ほかにも、薩摩の炎天下で癪を起こしてぶったおれて死にかけたのを鹿児島町奉行所で手当てしてもらって和歌を書いたり、二代目団十郎が面会して孫の手(弥兵衛の形見)もらって帰ってきたり、上記の母娘の娘の方がかどわかされてフーゾクで働いてるところを救出したり、親戚筋の仇討ちに荷担したりとか、彼女の奇談珍談は、忠臣蔵後日談としておもしろい。


享年92歳


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