「ホリ」の版間の差分

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[[画像:fukatsu_hori.jpg|thumb|役者絵:深津絵里]]
 
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ホリ【ほり】…[[堀部安兵衛]]の妻。[[堀部弥兵衛]]の娘。
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 ホリ【ほり】…[[堀部安兵衛]]の妻。[[堀部弥兵衛]]の娘。堀部ホリ。
  
幸(さち/こう)とか順という名前で表現されることもある。
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 幸(さち/こう)、とか順。希にハナ、タエという名前で表現されることもあるが、史実のほうではキチというのが有力だそうです。
  
  
20歳の頃、高田馬場の決闘をするために走ってきた中山安兵衛(当時のヤスベエの名。25歳)が落ちていた縄をたすきにしようとした時に「それじゃ縁起が悪いですから、これどうぞ!」と見物してたホリがヒジリメンの扱帯(しごきおび)を安兵衛に貸した。黒羽二重に赤く燃え立つようなたすきがかっこいい。
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 20歳の頃、高田馬場の決闘をするために走ってきた中山安兵衛(当時のヤスベエの名。25歳)が落ちていた縄をたすきにしようとした時に「それじゃ縁起が悪いですから、これどうぞ!」と見物してたホリがヒジリメンの扱帯(しごきおび)を安兵衛に貸した。黒羽二重に赤く燃え立つようなたすきがかっこいい。
  
父親の堀部弥兵衛は安兵衛の腕っ節に惚れ、さんざん安兵衛を説得して娘婿に来てもらう。
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 父親の堀部弥兵衛は安兵衛の腕っ節に惚れ、さんざん安兵衛を説得して娘婿に来てもらう。
  
  
享年45歳
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 ドラマのほうでも「[[峠の群像]]」の五十嵐めぐみとか、「[[時代劇特別企画 忠臣蔵|たけし版]]」のかとうかずこ、「[[新春ワイド時代劇 忠臣蔵〜その義その愛|その義その愛]]」の常盤貴子など、サバサバした女優が当てられることが多く、またそういう演出がなされる(「[[東芝日曜劇場 女たちの忠臣蔵〜いのち燃ゆる時〜|女たちの忠臣蔵]]」の和泉雅子など)。サイレント映画の「[[血煙高田馬場]]」では、着物姿で寺の低い石垣にぴょーんと飛び乗ったりしている。
  
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 そもそも講談のほうでは、子供の頃から毎日のように、男の子とケンカをしては相手をぶん殴ったりと、なかなかのお転婆に描かれている。
  
== 堀部妙海尼 ==
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 三谷幸喜の「[[PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場]]」では亀治郎時代の市川猿之助(4th)が演じ、飲み屋で見かけた安兵衛にストーカーまがいの積極性で恋のアプローチをしていた。
  
討ち入りが終わったあと、彼女は尼僧になろうと浅草、草泉寺で僧侶をしている伯父の一雲をたずねる。一雲は入社試験として千住小塚原のさらし首の回向100回とか、伝染病の人を死ぬまで介護させたりするが、見事クリア。法名を妙海とし、尼僧デビュー。泉岳寺の庵(いおり)で念仏三昧の日々に明け暮れる。
 
  
評判を聞いて[[松平安芸守|浅野ご本家筋]]から援助が来ても、お金には一切手をつけず、そういうのはだいたい炊き出しのイベントに使ったりした。
 
  
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 享年45歳
  
亡君菩提のため信州の善光寺に旅に出たある日、雪の中凍えて倒れてしまったところを地元の百姓母子に助けられる。しばらく滞在しているとある夜、その女所帯に強盗が押入ってくるが、かねて父から仕込まれてる撃剣体術で身をかわし返り討ちにする。
 
  
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== 堀部[[妙海尼]] ==
  
信濃路の茶屋で休んでると、店のオヤジが若い自分に屋敷奉公をしてた経験があり、客の侍に「もしや松平隠岐守さまご家来の[[荒川十太夫]]さまでは」と話しかけ、侍も「その方、よく存じておるなあ」てな返答をしてて、愛宕下の松平家の荒川さんと言やぁ、妙海尼の夫・安兵衛を解釈した人と聞いておりましたので「冥土黄泉より良人(おっと)安兵衛が引き合わせたるところ」と自己紹介して落涙。十太夫も驚いたが「天晴れ前代未聞の最後をいたしたり」とほめてくれた。 
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[[堀部安兵衛]]の妻の名をかたって泉岳寺に入ったという、実在したナゾの女性。妙海。
  
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講談の妙海はニセモノではなく、「堀部妙海尼」と呼称してキッパリ「安兵衛の妻の"その後"」として紹介している。
  
ほかにも、薩摩の炎天下で癪を起こしてぶったおれて死にかけたのを鹿児島町奉行所で手当てしてもらって和歌を書いたり、二代目団十郎が面会して孫の手(弥兵衛の形見)もらって帰ってきたり、上記の母娘の娘の方がかどわかされてフーゾクで働いてるところを救出したり、親戚筋の仇討ちに荷担したりとか、彼女の'''奇談珍談'''は、忠臣蔵後日談としておもしろい。
 
  
 
でもホリの名をかたる'''ニセモノ'''さんだそうであります。
 
 
享年92歳
 
  
  

2021年7月29日 (木) 19:24時点における最新版

役者絵:深津絵里

 ホリ【ほり】…堀部安兵衛の妻。堀部弥兵衛の娘。堀部ホリ。

 幸(さち/こう)、とか順。希にハナ、タエという名前で表現されることもあるが、史実のほうではキチというのが有力だそうです。


 20歳の頃、高田馬場の決闘をするために走ってきた中山安兵衛(当時のヤスベエの名。25歳)が落ちていた縄をたすきにしようとした時に「それじゃ縁起が悪いですから、これどうぞ!」と見物してたホリがヒジリメンの扱帯(しごきおび)を安兵衛に貸した。黒羽二重に赤く燃え立つようなたすきがかっこいい。

 父親の堀部弥兵衛は安兵衛の腕っ節に惚れ、さんざん安兵衛を説得して娘婿に来てもらう。


 ドラマのほうでも「峠の群像」の五十嵐めぐみとか、「たけし版」のかとうかずこ、「その義その愛」の常盤貴子など、サバサバした女優が当てられることが多く、またそういう演出がなされる(「女たちの忠臣蔵」の和泉雅子など)。サイレント映画の「血煙高田馬場」では、着物姿で寺の低い石垣にぴょーんと飛び乗ったりしている。

 そもそも講談のほうでは、子供の頃から毎日のように、男の子とケンカをしては相手をぶん殴ったりと、なかなかのお転婆に描かれている。

 三谷幸喜の「PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場」では亀治郎時代の市川猿之助(4th)が演じ、飲み屋で見かけた安兵衛にストーカーまがいの積極性で恋のアプローチをしていた。


 享年45歳


堀部妙海尼

堀部安兵衛の妻の名をかたって泉岳寺に入ったという、実在したナゾの女性。妙海。

講談の妙海はニセモノではなく、「堀部妙海尼」と呼称してキッパリ「安兵衛の妻の"その後"」として紹介している。



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