「ギャング忠臣蔵」の版間の差分

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{{Cinema|制作=東映|公開=1963|頃=|内蔵助=片岡千恵蔵|星=3}}
 
{{Cinema|制作=東映|公開=1963|頃=|内蔵助=片岡千恵蔵|星=3}}
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[[画像:gang_video.jpg|thumb|ビデオパッケージ。豪華な顔ぶれ!]]
 
ギャング版忠臣蔵。なかなか愉快な作品。
 
ギャング版忠臣蔵。なかなか愉快な作品。
  
東宝が人気のサラリーマン物で忠臣蔵やるんなら我が社はギャング映画で、と言うことだったかどうかはしらないが、60年代はパロディが多産で、自然な流れで「東映ギャングシリーズ」に忠臣蔵を持って来たのでしょう。
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東宝が人気のサラリーマン物で忠臣蔵やるんなら、我が社は人気のギャング路線で!、と言うことだったかどうかはしらないが、60年代はパロディが多産で、自然な流れで「東映ギャングシリーズ」に忠臣蔵を持って来たのでしょう。
  
  
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とてもスムーズにオリジナルストーリーがアレンジできている。これはギャング物が「かたきうち」という殺伐とした物語がマッチしているからだろうか。
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とてもスムーズにオリジナルストーリーがアレンジできている。これはギャング物が「かたきうち」という殺伐とした物語にマッチしているからだろうか。
  
 
新しい東映の屋台骨の任侠物スターが、昔ながらの時代劇に出会った、夢のコラボレーション。東映が誇るベテランと若手の新旧俳優のアンサンブルが、各世代で構成されている四十七士にちょうどよくハマっているため、好感度が高い。
 
新しい東映の屋台骨の任侠物スターが、昔ながらの時代劇に出会った、夢のコラボレーション。東映が誇るベテランと若手の新旧俳優のアンサンブルが、各世代で構成されている四十七士にちょうどよくハマっているため、好感度が高い。
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ニコニコして見てたら、話の途中(大石専務が墓前で復讐を誓うシーン)で「第一部 終」!?
 
ニコニコして見てたら、話の途中(大石専務が墓前で復讐を誓うシーン)で「第一部 終」!?
  
え?続きは?何度ビデオのパッケージを何度ひっくり返して見ても「一部」とか「二部」とかそういうインフォメーションが見当たらない。
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え?続きは?何度ビデオのパッケージをひっくり返して見ても「一部」とか「二部」とかそういうインフォメーションが見当たらない。
  
 
ネットで調べてみると「第1部」が'''不入りで後編が制作されてない'''とか。ぎゃふ〜ん!!はんちく!!
 
ネットで調べてみると「第1部」が'''不入りで後編が制作されてない'''とか。ぎゃふ〜ん!!はんちく!!
  
これだけスターが集まって、さらに「忠臣蔵」なのに、ホントに不入りだったのか??
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これだけスターが集まって、東映で当時イケイケの人気のギャングもの('62頃から東映が本腰を入れ、'64に任侠路線に切り替えるまで人気が続いたように、Wikiに記述がある)なのに不入りだったということは、すでにこの当時で忠臣蔵映画の人気に陰りが見え始めたということか。
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と、同時にこの頃になると、若手の台頭とともに、映画黎明期のスターやスタッフたちが次々に亡くなっていき、昭和35年に「客ならあふれるほどいる」と東映が鼻息荒く発足させた第二東映(ニュー東映)も本作公開前年に解消。千恵蔵は東映の重役ではあっても映画出演の本数も減っていき。いろんな「陰り」がほうぼうに伺える。
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[https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5-%E7%89%87%E5%B2%A1%E5%8D%83%E6%81%B5%E8%94%B5/dp/B07SNGGH1T アマゾン・プライム]で観られます。過去にはDMM動画でも見られた。
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1968]]
 
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1968]]

2021年6月24日 (木) 23:21時点における最新版

作品概要
制作会社 東映
公開年度 1963年
内蔵助役 片岡千恵蔵
評価 3ツ星
ビデオパッケージ。豪華な顔ぶれ!

ギャング版忠臣蔵。なかなか愉快な作品。

東宝が人気のサラリーマン物で忠臣蔵やるんなら、我が社は人気のギャング路線で!、と言うことだったかどうかはしらないが、60年代はパロディが多産で、自然な流れで「東映ギャングシリーズ」に忠臣蔵を持って来たのでしょう。


柳沢グループ傘下の吉良社に日頃からいじめられてる九州の新参者浅野社。

海外業者とのイベントの日、吉良社長(安部徹)がその業者と麻薬の取引をしようとするのを阻止しようとハジキをぶっ放した浅野社長(高倉健)はお縄に。網走番外地みたいに爆発することもなく吉良の手が回って獄中死。大石専務(千恵蔵)が立ち上がる。


とてもスムーズにオリジナルストーリーがアレンジできている。これはギャング物が「かたきうち」という殺伐とした物語にマッチしているからだろうか。

新しい東映の屋台骨の任侠物スターが、昔ながらの時代劇に出会った、夢のコラボレーション。東映が誇るベテランと若手の新旧俳優のアンサンブルが、各世代で構成されている四十七士にちょうどよくハマっているため、好感度が高い。

だって上が千恵蔵で、中が健さんでルーキーが千葉ちゃんですからねえ!重要な役にちゃんとした俳優を当ててて結構。なにしろ豪華。


ニコニコして見てたら、話の途中(大石専務が墓前で復讐を誓うシーン)で「第一部 終」!?

え?続きは?何度ビデオのパッケージをひっくり返して見ても「一部」とか「二部」とかそういうインフォメーションが見当たらない。

ネットで調べてみると「第1部」が不入りで後編が制作されてないとか。ぎゃふ〜ん!!はんちく!!


これだけスターが集まって、東映で当時イケイケの人気のギャングもの('62頃から東映が本腰を入れ、'64に任侠路線に切り替えるまで人気が続いたように、Wikiに記述がある)なのに不入りだったということは、すでにこの当時で忠臣蔵映画の人気に陰りが見え始めたということか。

と、同時にこの頃になると、若手の台頭とともに、映画黎明期のスターやスタッフたちが次々に亡くなっていき、昭和35年に「客ならあふれるほどいる」と東映が鼻息荒く発足させた第二東映(ニュー東映)も本作公開前年に解消。千恵蔵は東映の重役ではあっても映画出演の本数も減っていき。いろんな「陰り」がほうぼうに伺える。


アマゾン・プライムで観られます。過去にはDMM動画でも見られた。