「おニャン子版忠臣蔵」の版間の差分

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夕ニャンだからたかがしれてると思われるかもしれないが、そのとおりで、見事に'''とるにたらない内容'''(イイ意味で)になっている。
 
夕ニャンだからたかがしれてると思われるかもしれないが、そのとおりで、見事に'''とるにたらない内容'''(イイ意味で)になっている。
  
それでも星がふたつなのは、まだこの頃のスタッフや出演者の中には'''忠臣蔵が生きている'''からだ。ふざけた構成でも、忠臣蔵的な話の運びはチャンとしておこうというスタッフの姿勢がうかがえる作品なのだ。「基礎」が重んじられている。
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それでも星をふたつもあげちゃうのは、まだこの頃のスタッフや出演者の中には'''忠臣蔵が生きている'''からだ。ふざけた構成でも、忠臣蔵的な話の運びはチャンとしておこうというスタッフの姿勢がうかがえる作品なのだ。「基礎」が重んじられている。
  
はじめからサジを投げて体裁だけ忠臣蔵から借りてきた近年の「リンカーン」での[[討ち入り〜8人の志士たちの挑戦〜|ミニコント]]に比べると、女子高生がキャーキャー言いながら討ち入ってても、土台に忠臣蔵をちゃんと置いていることでブレが無い。
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はじめからサジを投げて体裁だけ忠臣蔵から借りてきた近年の「リンカーン」での[[討ち入り〜8人の志士たちの挑戦〜|ミニコント]]に比べると、女子高生がキャーキャー言いながら討ち入ってても、土台に忠臣蔵をちゃんと敷いていることでブレが無い。
  
 
とはいえ、クレジットに「磯貝十郎左衛門:渡辺美奈代」とあるのに、彼女が着てる黒小袖の襟には「大石瀬左衛門」と書いてあるというような、いいかげんな空気にも満ちている。
 
とはいえ、クレジットに「磯貝十郎左衛門:渡辺美奈代」とあるのに、彼女が着てる黒小袖の襟には「大石瀬左衛門」と書いてあるというような、いいかげんな空気にも満ちている。
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このころのバラエティはハプニング性ばかりが期待された時代で、ギャグの作り込みははなはだショボイ。
 
このころのバラエティはハプニング性ばかりが期待された時代で、ギャグの作り込みははなはだショボイ。
  
特にこの番組はとんねるずの大暴れや鶴太郎イジメがおもしろい番組だったわけで、彼らがいなくなったあとのちびっこギャングが跡を継げてないので大竹まことや中村ゆうじが無理くり暴れて「夕ニャン」のテイストを維持しようとがんばってる。
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特にこの番組はとんねるずの大暴れや鶴太郎イジメが骨頂だったわけで、彼らがいなくなったあとのちびっこギャングが跡を継げてないので大竹まことや中村ゆうじが無理くり暴れて「夕ニャン」のテイストを維持しようとがんばってる。
  
スタッフには「おもしろいことをしよう」という意気込みが希薄で、アイデアもなく、たぶん脚本のト書きには「ここで大竹、暴れる」としか無かったに違いない。
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「こう笑わせよう」という方向性が現代の笑いづくりと違い、特筆に値するギャグのアイデアは無く、たぶん脚本のト書きには「ここで大竹、暴れる」ぐらいのことしか無かったに違いない。
  
そんな中で一見傍若無人な、この大竹まこと(当時は常滑川まこと)は自分の股間に生稲晃子(当時18歳)の頭を押しつけるなどして暴走しながらも、おもしろいことをちゃんとしようという心がけと、スタッフのつまらないギャグや仕掛けへのツッコミや批判を忘れず、演技すべきところはするという大貢献をしている。むしろ一件柔和に見える中村ゆうじのほうがメチャクチャをしている。
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そんな中で一見傍若無人な、この大竹まこと(当時は常滑川まこと)は自分の股間に生稲晃子(当時18歳)の頭を押しつけるなどして暴走しながらも、おもしろいことをちゃんとしようという心がけと、スタッフのギャグや仕掛けの" つめのあまさ "に対するのツッコミや批判を忘れず、演技すべきところはするという大貢献をしている。
  
 
討ち入りも、実は見応えのあるモノに仕上がっており、あんまりバカにしたモノではない。
 
討ち入りも、実は見応えのあるモノに仕上がっており、あんまりバカにしたモノではない。
  
  
アイドル番組にしては彼女たちメンバーに見せ場が無く、ハプニングに怖気ぶってる姿ばかりが映し出されるのも当時の特徴で、いまだったらオッサンのほうがこんなに前に出てるのでは大ブーイングだろう。
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アイドル番組にしては彼女たちメンバーに見せ場が無く、ハプニングに怖気ぶってる姿ばかりが映し出されるのも当時の特徴で、いまだったらオッサン芸人ばかりがこんなに前に出てては大ブーイングだろう。
  
  
※どぅわ〜!構成が[http://ja.wikipedia.org/wiki/三木聡 三木聡]さんだった!お会いしたとき、話が忠臣蔵におよんだ折、たしかになんか言いたげなご様子に見えたが、これやってたんだ〜!言いだしにくかったのかなあ!若かりし20代の作品でございます。
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※どぅわ〜!構成が「時効警察」「インスタント沼」の[http://ja.wikipedia.org/wiki/三木聡 三木聡]さんだった!お会いしたとき、話が忠臣蔵におよんだ折、たしかになんか言いたげなご様子に見えたが、これやってたんだ〜!言いだしにくかったのかなあ!若かりし20代の作品でございます。

2017年1月25日 (水) 17:19時点における最新版

作品概要
制作会社 フジテレビ
公開年度 1986年
内蔵助役 大竹まこと
評価 2ツ星


「夕やけニャンニャン」の年末の特別構成「生ドラマスペシャル」。全編が忠臣蔵コントになっている。


夕ニャンだからたかがしれてると思われるかもしれないが、そのとおりで、見事にとるにたらない内容(イイ意味で)になっている。

それでも星をふたつもあげちゃうのは、まだこの頃のスタッフや出演者の中には忠臣蔵が生きているからだ。ふざけた構成でも、忠臣蔵的な話の運びはチャンとしておこうというスタッフの姿勢がうかがえる作品なのだ。「基礎」が重んじられている。

はじめからサジを投げて体裁だけ忠臣蔵から借りてきた近年の「リンカーン」でのミニコントに比べると、女子高生がキャーキャー言いながら討ち入ってても、土台に忠臣蔵をちゃんと敷いていることでブレが無い。

とはいえ、クレジットに「磯貝十郎左衛門:渡辺美奈代」とあるのに、彼女が着てる黒小袖の襟には「大石瀬左衛門」と書いてあるというような、いいかげんな空気にも満ちている。


このころのバラエティはハプニング性ばかりが期待された時代で、ギャグの作り込みははなはだショボイ。

特にこの番組はとんねるずの大暴れや鶴太郎イジメが骨頂だったわけで、彼らがいなくなったあとのちびっこギャングが跡を継げてないので大竹まことや中村ゆうじが無理くり暴れて「夕ニャン」のテイストを維持しようとがんばってる。

「こう笑わせよう」という方向性が現代の笑いづくりと違い、特筆に値するギャグのアイデアは無く、たぶん脚本のト書きには「ここで大竹、暴れる」ぐらいのことしか無かったに違いない。

そんな中で一見傍若無人な、この大竹まこと(当時は常滑川まこと)は自分の股間に生稲晃子(当時18歳)の頭を押しつけるなどして暴走しながらも、おもしろいことをちゃんとしようという心がけと、スタッフのギャグや仕掛けの" つめのあまさ "に対するのツッコミや批判を忘れず、演技すべきところはするという大貢献をしている。

討ち入りも、実は見応えのあるモノに仕上がっており、あんまりバカにしたモノではない。


アイドル番組にしては彼女たちメンバーに見せ場が無く、ハプニングに怖気ぶってる姿ばかりが映し出されるのも当時の特徴で、いまだったらオッサン芸人ばかりがこんなに前に出てては大ブーイングだろう。


※どぅわ〜!構成が「時効警察」「インスタント沼」の三木聡さんだった!お会いしたとき、話が忠臣蔵におよんだ折、たしかになんか言いたげなご様子に見えたが、これやってたんだ〜!言いだしにくかったのかなあ!若かりし20代の作品でございます。