アチャラカ忠臣蔵

2023年より続く(要確認)、一般社団法人日本浪曲協会主催の、毎年7月に浅草・木馬亭で開催される浪曲師たちの夏のお祭り(特別企画公演)『浪(なみ)フェス』。
その2026年版の節劇(ふしげき;別名「浪花節劇」浪曲師達によるお芝居。落語家の鹿芝居みたいなものか)が、東家京太郎師匠の脚本&演出による「アチャラカ忠臣蔵」だった。in 木馬亭
前半はたっぷり浪曲で、今年は出演順に天中軒かおり『元禄花吹雪(絵図面取り)』、港家小蝶次『横川勘平』、三門 綾『出世定九郎(中村仲蔵)』、東家志乃ぶ『勝田新左衛門 妻子別れ』、東家孝太郎『討入当夜 小林平八郎の最後』(以上 敬称略)
浪フェスのお楽しみ企画の担当、東家恭太郎師匠の屈託のないギャグづくりに、周囲の師匠方も楽しそうに参加してるムードで終始し、たいへん居心地の良い、ゆるい空間。
普段から書き溜めている恭太郎師匠のギャグノートからよりすぐった小ネタ(上田吉二郎のモノマネ/〽ヤットサー踊る赤穂に見る赤穂/旗本タイツ男/ハッハッハクチョンの湖 etc...)を、ふんだんに芝居にぶち込んで、ばかばかしい空気をみなさん足並み揃えてまっとうしていて、見てるほうはずっと笑顔。
松の廊下〜南部坂〜討入という、スッキリした構成。
唯一、すこしだけ気になったのが、三門 綾さん、天中軒かおりさんあたりは、おそらく(あくまで予想なので違ってたらすいません)、元ネタの仮名手本忠臣蔵を……、というか忠臣蔵そのものに、いやそもそもお芝居に、"なじみ"が無いのではないか??という、すこし頼りなさを感じた。(港家小蝶次さんは、あてがわれた役とスキルがピッタリだった。)
いや、おふざけ、シャレなんだから、ぜんぜん芝居の良し悪しとかのことを言ってるんじゃないんです。「知らないでやってる」という危うさと言うか、引き出しの少なさによって仕上がる品質というか…
綾さんなんかせっかく市川團十郎に似てるのに、もったいないなと。笑
インディーのコメディ芝居に比べて、ふだんから古典に携わってるプロ集団だけに、一定の見応えはあるが、だからこそ「ああ、ここにお新香があったら最高なんだけどな」「クレソンが乗っかってたら一味違うんだけどな」という贅沢を言いたくなる。ぜんぜん無理じゃない下地がありながら用意しなかったという、なんかそこらへんが惜しいなと思いました。